





午前なのに30℃を超えてきた。暑い。今年も迎える、この季節。持参の水筒も、容量は2Lを超えている。1日の給水量も半端ない。夏バテが心配だ。けれども、大丈夫。とんかつを食べたい気持ちは、死んでいない。とはいえ、揚げ物は調理が暑い。それに比べれば、麺を茹でるくらいなら我慢できる。だが、蕎麦やうどんは、すこし飽き気味。そうめんも然り。そこへいくと、いくらかパスタは飽きていない。
17:15。アラームが鳴る。スマホの勤怠管理を押す時間だ。様式が変わっても、気持ちは変わらない。そして、この時間帯に考えることも変わってはいない。今日は何を食べようか。けれども、この日は朝から考えていた。すでに「冷製パスタ」と決まっている。あとは、細かな具材と調理の段取りを考えるのみ。スーパーまでは30分。きっと、その間に思いつくであろう。
たしか、家の冷蔵庫にはあったはず。丸い小さなモッツァレラ。その白色を中心に。トマトの赤と、バジルの緑を添えたい。でも、きっと生バジルはないから、紫蘇の葉を。香りはニンニクとベーコンで。塩味は塩。胡椒も。旨味は昆布出汁でブーストさせる。酸味はトマトだけでは心細いから、白ワインビネガーと、バルサミコ酢で。コクも出したいから、隠し味程度に、十勝産の糖蜜を入れてみよう。スーパーで買うものも決まった。細めの乾燥パスタを忘れそうになったが、すんでのところで気がついてよかった。
調理は簡単だった。暑い日でも、難なくこなせる。紫蘇の葉は微塵切り。ニンニクとベーコンは千切りにして、弱火で香り出し。ボールに入れて、他の具材や調味料と共に混ぜる。茹でて、水洗いして、水気を絞ったパスタも加えた。皿に盛れば完成だ。
おいしい。瞬く間に完食。冷たい料理は食べやすすぎる。飲み物の勢いになってしまった。調理時間の数十分の一。考えた時間も調理時間に入れれば、数百分の一。それだけが儚かった。けれども、料理というものは、そういうものだと思っている。いい仕事をした。もとい、たのしい時間を過ごした。明日は、何を食べようか。すでに次もはじまっている。