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#277 さよならハック

十勝の田舎町で暮らしている。僕はとある企業の広報担当だ。現場仕事との兼務だが、時間を作って写真を撮ったり文章も作っている。だが、物足りない。プライベートでも、写真を撮ったり文章を書いたりしているから、クリエイティブ欲求は満たされているものの、仕事とはいえ、そこに違った題材があれば、何かを作り上げたくもなるのだ。

そこで僕は、会社用のnoteアカウントを作成した。だが、未だ運営には至っていない。いろいろと試しながら型を探っているが、どうもピッタリと当てはまるピースがないのである。当初の予定とは、かなり違う方向へ進んでいるが、いい方向だとも思っている。

おそらく、僕のエッセイ集になるだろう。十勝のとある会社の広報担当者が綴るエッセイ集だ。このアカウントと同じスタンスだが、テーマが違う。他の社員を通して感じた、この業界での働き方を書こうと思う。勤続年数の短い広報担当者が、社内に向けて書くというわけだ。公開するかどうかも分からないが、今のところこれをテーマにして進めている。

社長の許可ももらった。僕は準公式の立場を希望したが、公式にしても良いとも言ってくれた。けれども、ちゃんと僕は「めんどくさいからいいです」とも答えておいた。業界内ではかなりユニークな存在となるだろう。奇をてらっている。理念を語るコンテンツで溢れているからだ。だが、外を見れば稀な存在でもない。

つまるところ、他業界のスタンダードを持ち込むことになる。だからといって、成功が確約されているわけではない。むしろ、失敗の可能性の方が高いと思う。多くの人が試したことを僕が掘り返しているだけと考える方が自然だからだ。故に準公式を希望している。身内で認め合うことで、今の仕事が楽しくなればいい。ついでに、僕のクリエイティブ欲求が満たされれば一石二鳥なのである。

とはいえ、下心は隠さない。会社の業績に影響するほどのコンテンツになってほしい気持ちはある。故に外へ向けて発信もするが、ここでひとつ困ったことがある。宣伝の仕方が分からないのだ。準公式とはいえ、立派な企業のアカウントだ。ハック的な技術は使えない。こつこつと発信することが正解だろう。けれども、僕も人だ。すぐに分かる結果が欲しい。その思いが、いつか間違った方向への原動力になってしまうかもしれない。いまのうちに、その芽を摘んでおく必要があるだろう。

僕は、ハック技術的な方法との決別を選んだ。このアカウントもそうだ。申し訳ないが、相互フォローも消した。本当に読みたい人のアカウントだけをフォローしようと思う。Xも新規アカウントを立ち上げた。相互フォローや付き合いのいいねもしない。つまるところ、SNSをちゃんと楽しんでみようと思う。考えてみれば、そのスタンスで純粋に使ったことはないのかもしれない。どこかに下心はあった。影響力がほしいのである。

けれども、今の僕はサラリーマンだ。農家を自営していたときとは環境も違う。もう、影響力をほしがらなくてもいい。しんどい思いをしなくてもいいのである。加えて、会社の準公式アカウントも、影響力を必要としない設計をしている。ハック的な技術もいらない。そもそも、すぐに分かる結果はある。数字ではない。身内の声だ。今現在でも、僕の作ったものには反応してもらえている。きっと、noteをはじめれば、それに対しても反応してもらえるだろう。すくなくとも、こちらから聞けば、仕事として反応してもらえる。それでいい。いや、それがいい。理想に近いレスポンスがそこにあると思えるからだ。

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