





十勝の田舎町で暮らしている。僕はとある企業の広報担当だ。とはいえ、あまり期待はされてない気がする。それも僕には都合がよかった。おかげで、細かい方向性は勝手に決めていた。だが、ここに来て色々と方向性やらに注文が入るように。正直に言うと、やりづらい。けれども、それは効果が認められてきた証なのだろう。そう考えれば、今まではボーナスタイム。ここからが本当のスタートになるのかもしれない。望むところである。
とはいえ、広報の仕事に乗せる体重には気をつけなければならなくなった。農家時代のそれと同じように取り組めば、会社に迷惑をかけてしまう恐れもある。今は雇われの身。ある程度の安定は保証されている。それとトレードオフにあるものを認識しておく必要があると思っている。
大丈夫、都合よく、最近になってプライベートも楽しくなってきていた。やっぱり僕は写真が好きだ。その活動の幅を広げようとしている。目標は英国で開催する個展の成功。あまり時間はないが、無茶な目標に進むことが、案外楽しいのである。
AIに言われるがまま、サイトは完成した。次は営業と広報を同時に進めていくフェーズに入るらしい。そのためには作品が必要と。つまるところ、写真を撮らなければならない。定めたテーマに沿ってだ。これが難しい。いろいろと工夫をしているが、未だ正解は見つかっていない。正直、壁にぶつかっている。
僕は被写体に寄ることで引き算する傾向が強い。レンズの絞りを開放させて周りをぼかした写真も好きだが、訴求ポイントの解像感が下がることを嫌っての選択だ。デメリットはある。ブレとの戦いが発生しやすい。解像感を上げるために絞るので尚更だ。けれども、ピントはシビア。いい具合の光の中では、およそ手持ち撮影も不可能となる。必然的に三脚を立てることになるが、めんどうな分だけサンクコストが発生する。もちろん妥協も。結果、写真の質も下がり気味になるというわけだ。
おまけに、定めたテーマに沿う必要がある。気が抜けない。ついつい、心の向くままに撮ってしまう。この失敗が一番多い。それでいいと思える写真になるなら、まだ許せるのだが、そんな一枚は決まってダルい。
つまるところ、時間が掛かる。プラスして気持ちの安定も必要らしい。それを計れるいいバロメーターはある。体重だ。秋口にはじめた減量はマイナス10kgを達成している。けれども、いろいろと上手くいかない事案があると、僕の食事は不摂生気味となり、増加に転じる。故に体重も監視している。写真のためだ。そして、体重が増加したときは、食生活を正して、再び減少方向になるよう修正するのだが、不思議とそれが気持ちの安定にも繋がる。減量様々というわけだ。
おかげで、少しづつだが、写真の質は向上してると思えている。縛った被写体の撮り方がわかりはじめた。それが楽しい。なんなら、個展の開催とかも、どうでもよくなっている。その想いは無視できないが、今は保留にして、目の前の被写体を攻略したい。その想いがまた、僕の体重を減少させる。いい循環だ。写真をやってて、ほんとによかったのである。