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タモツの日記
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#255 創られた多様性

十勝の田舎町で暮らしている。僕はとある企業の広報担当だ。とはいえ、専任ではない。故に、様々な業務に関わっている。先日は北陸への出張にも参加してきた。広報担当としてアシスタント的な振る舞いをしてきたのである。

もちろん、美味しかった。やはり、美味い魚はいい。ノドグロ、ゲンゲ、カワハギは肝付。あわせた日本酒も最高だった。そう思えたのも、昼間の仕事を頑張ったからだと思う。広報の仕事だけではない。同業者の視察見学も行った。

完敗であった。施設の充実度や、職人の持っている技術や知識でも負けていた。なにより、熱量で負けていた。そこから生まれる思考の深さや幅、量、どれをとっても劣っていると思わされた。

とはいえ、熱量以外は真似ることはできない。なぜなら、生き残り戦略としての振る舞いが唯一無二を目指しているからだ。もちろん、環境も違う。どうにかして真似たところで、二番煎じの域は脱し得ないだろう。

熱量が低い理由は分かっている。僕は雇われの身だ。どうしても、危機感は薄まってしまう。生き残り戦略も雑になりがちだ。どうしたもんだろう。

しかしだ、それでいいのかもしれない。雑なのはよくないが、雇われの身でしか出来ないこともあるだろう。具体的には、長期戦略だ。明日の利益を取りに行かず、3年後の利益を取りに行く。なんならもっと先のことも考えることができるだろう。それは、雇われの身でなくても可能だがアプローチの仕方が変わってくる。そこに企業としての多様性が生まれるのではなかろうか。

そう、企業にも多様性と言っていいものがあると思う。とはいえ、生物の種や価値観のそれと違うところはある。創られた多様性と言っていいだろう。前者のそれは、担わされた部分も大きいが、企業のそれは、すべてではないにしろ、積極的に周りとの差別化を図った結果だ。当たり前かもしれないが、興味深い現象なのである。

考えてみれば、自由主義でまわる経済は生物圏と似ている。多様な個体が存在し、禍が起きても絶滅することはなかった。絶えず淘汰の原理が働き、その瞬間に順応した個体が生き残る。経済の仕組みは複数あるけれど、自由主義が長く続いている理由はここら辺にあるのかもしれない。

とはいえ、こんな仮説を立てたところで、企業の運営には生かせられないだろう。結局、供需のバランスでしかないからだ。そこからはみ出した多様性を獲得しても上手くはいかないだろう。どうしたものか。

僕は雑なところにメスを入れた。裁量権の外のことは、お願いしてみるつもり。年末だがさらに忙しくなってきた。やはり、仕事は面白いのである。

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