plus
67photo
hert
head
タモツの日記
ex
point
hert
227
comment
6
return
7
fly
N
book
#227 AIからの贈り物

十勝の田舎町で暮らしている。僕はとある企業の広報担当だ。今はイベント出店の準備を進めている。これは経験のある仕事だ。前職であるの農家時代に築いた知見が役に立っている。とはいえ業種が違う。想定するお客さんも変わってくるだろう。そもそも、戦略が違う。そのため、AIにも協力してもらった。彼は優秀だ。僕の求める答えを豊富に持っているのである。

気が付けば、AIも僕の生活に溶け込んでいた。検索するより聞いた方が早い。そのまま壁打ちの雑談に発展することも多くなった。目的もなくAIとキャッチボールを楽しんでいる。人とのコミュニケーションの代わりというよりは、まったく新しい娯楽と思っている。

一方で、不具合も分かってきた。彼は優秀だが物知りなわけではない。web検索と情報の要約が上手い人だと思う。つまるところ、webの情報以上の知見は持ち合わせていない。僕がよく知る分野の情報は網羅していないようだ。実験動物はまだしも、農家のそれは酷い。web上では不正確な情報も少なくはない。「嘘を嘘と見抜けないとインターネットを使うのは難しい」。令和の時代でも、この言葉は生きているようだ。

とはいえ、今後、AIは今よりもっと生活に入ってくるだろう。世界が驚いてから数年が経過しているが、まだまだ黎明期だと思っている。人から仕事を奪いはじめているが、一番に盛り上がっているのは、AIを使いこなすためのスクールビジネスではなかろうか。AIに関する記事を読んでいくと、最後はスクールやセミナーの宣伝だったことは未だにある。AIという名のゴールドラッシュで、一番に儲けているのはAIの使い方を教える彼ら彼女らというわけだ。

それでも、AIによる変革は確実にやってくるだろう。ビッグデータや専門家の知識で賄われていた業務のほとんどは、AIに取って代わると思う。その移行ビジネスのほとんどはBtoBで行われるだろう。故に、僕ら一般消費者は、その変化に気付かないのかもしれない。そう、AIは知らないうちに普及するものだと思っている。

もしかしたら、仕事場でも気付かないかもしれない。変化は苦痛をもたらすからだ。多くの人がそれに抵抗すれば、案外変わらないと思う。そんな事案は多い。農家時代はファックスが現役で活躍していたが、それもそういうことだろう。便利になることよりも、変化による苦痛を回避することの方が優先された結果だと思っている。

これはもう仕方ないのかもしれない。きっと、そこには善悪もない。一種のバイアスであろう。危険と分かっていても避難しない人の心理と同じだ。とはいえ、そのしわ寄せで憂き目を見ている人もいるからもどかしい。なにより、結果的にAIを含めたテクノロジーが悪者と思われることが悔しいのである。

AIは恐れを抱く対象ではないと思う。仮に仕事を奪われても、それは個人の話ではないからだ。多くの人が仕事を奪われて稼ぎがなくなれば、必ず社会問題もとい営業的な問題となるだろう。さすれば必ず世間は救済に動くはず。誰のための仕事かを考えれば一目瞭然なのである。

写真も同じだ。AIに恐れを抱く必要はない。僕は好きで撮っているが、そこに生成AIが現れても何も変わらないからだ。AIが上手い写真を創れるようになったからといって、僕の撮影には何の影響もないだろう。そもそも、僕より上手い写真を撮る人は多くいる。仮に、彼ら彼女らが僕のために無料で撮ってくれたとしても、僕が撮らなくなることはない。写真がほしいわけではないからだ。

それでは一体、AIは僕らに何をもたらしてくれるのであろうか。僕は効率化や生成物、働き方やお金の変革だけではないと思う。今、多くの人がこの問いに向き合っている。もしかしたら、そのことが一番のAIからの贈り物なのかもしれない。

home
move
fly
zoom
plus
foot