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#224 軽トラ記念日

十勝の田舎町で暮らしている。僕はとある企業の広報担当だ。前職は農家で、片付けは終わってないから、兼業農家でもある。とはいえ、農作物の生産活動は行ってはいない。離農のための整理整頓が主な作業だ。軽トラの処分もその範疇。名残惜しいが、致し方ないのである。

すでに契約は済んでいる。軽トラを売り、代わりの車を購入した。だが、お店は家から遠い。札幌。十勝からは、およそ150km。東京から軽井沢、大阪からだと岐阜県まで行ける。その距離を走らなければならない。webで調べて勢いで買った結果だ。とはいえ、後悔はしていない。なんなら楽しみにもしている。ラストドライブ。その距離にしては充分であろう。

僕は軽トラが好きだ。MRのMT。切り代えれば直結の4駆になる。ターマックでは走れないくらいの直結ぶりだ。もちろん、パワステも無いのである。燃費は悪い。車体は軽いがギア比がロー気味なことが原因であろう。高速巡行をしても改善はしない。

サスペンションの味付けも、乗り心地より重い荷物を乗せる用だ。故に修正舵は切れない。一発で曲がる必要がある。そんな融通の無さが、この車のスポーティ感を醸し出している根源であり魅力でもあるのだろう。

僕は朝早くに家を出た。軽トラには冷房機能が無かったからだ。早朝の涼しいうちに札幌へ行く。それなら高速道路を使えばいいのかもしれないが、それではラストドライブとして味気ない。下道を行くつもりだ。およそ4時間超のロングドライブ。軽トラと作った思いでを振り返るには、充分な時間といえるだろう。

狩勝峠を越えて南富良野へ。麓郷へ続く曲がり角を直進して富良野へ入るも、旭川十勝道路は使わず、街中を通り桂沢湖へ続く道へ乗った。何度も通った道道135号線と国道452号線だが、新しくできた道道135号線区間を通って美唄へ出てみた。

久しぶりの道央は暑かった。すでに軽トラの窓は全開。三笠の道の駅で休憩をとったが、水分補給が主な目的となった。そこからは国道12号線は避けて、新篠津村を経由して札幌入り。お昼前にはお店へ到着。すぐさま新しい車に乗り換えて、長い復路がはじまったというわけだ。

だが、家はお店から遠い。十勝。札幌からは、およそ150km。軽井沢から東京、岐阜県からだと大阪まで行ける。その距離を走らなければならない。webで調べて勢いで買った結果だ。とはいえ、後悔はしていない。なんなら楽しみにもしている。ファーストドライブ。その距離にしては充分であろう。もちろん、高速道路は使わないのである。

国道274号線を東へ。マオイの丘と樹海ロード日高の道の駅をはしご。最後は日勝峠を越えて十勝へ戻って来た。なかなかのドライブとなった。すでに軽トラのことは忘れていた。自宅へ着くと、いつもあった軽トラが別の車に代わり、すこしの寂しさも。さよならした実感がそこで露わとなった。

ありがとう軽トラ。山中を走ったり、雪原で遭難しかけたり、一緒になって野生動物から逃げたこともあった。控えめに言って楽しかったと思う。僕の運転スキルを上げてくれた節もあった。7月20日。僕はこの日を忘れない。毎年来るこの日を記念日にしようと思う。

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