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#216 ビジネスモデルは美しい

最新のゲーム機が売り出されたが、抽選による販売となった。理由は転売ヤー対策らしい。資本主義の原理原則から見れば、転売は悪いことではないが、それに対してメーカーが対策に乗り出しているということは、おそらく、何らかの不利益を被るからだと推測できる。

たしかに、対策を施せばメーカーの好感度は上がるだろう。転売ヤーは嫌われているからだ。その稼ぎ方を良しとしない人は多くいる。だが、それだけの理由で抽選販売にするのであろうか。おそらく、多額の経費が掛かっていると思われる。それを回収できるくらいの理由が、他にもあるのではなかろうか。

ゲーム業界の収益方法はすこし変わっている。今現在は分からないが、すこし前はゲーム機の販売ではなくソフトの売上で利益を得ていたらしい。つまり、ゲーム機の売上では利益を作らないということだ。なんなら赤字になる価格で販売するらしい。まずは自社のゲーム機を普及させて、ソフト販売のシェアを伸ばしていく。それが過去におけるゲーム業界の勝ち方だったらしい。

そう考えれば、今回のメーカーによる転売ヤー対策にも納得がいく。ゲーム機は、所得に関係なく、幅広い層に買われた方が、最終的な利益は多いのであろう。そう考えれば、そのビジネスモデルを破壊する転売ヤーを、多額の経費を使ってでも排除することに価値はあるのかもしれない。公式オンラインショップでの販売方法が物語っている。一見、根強いファンに届けたいように見えるが、その実は、ソフトを多く買ってくれる見込み客に向けてピンポイントで売っている。おそらく、一番に効率の良い販売方法であろう。

ゲーム機に限らず、低価格で販売することによって、最終的な利益が多くなるビジネスモデルを組んでいる商品は多い。

ガンプラもそうかもしれない。単品の価格を上げるより、潜在顧客数の最大化や複数購入率、高いリピート率などを踏まえた価格設定の方が、最終的な利益は多いのであろう。

アーティストのライブチケットもそう。チケット価格を抑えることが、他での利益の最大化につながるのであれば、やはり転売ヤーを排除することは、メリットでしかないと思える。逆に対策をしなければ、業界ごと傾く恐れもあるというわけだ。

そんなことも考えられるから、ビジネスモデルを眺めることはおもしろい。よくできたモデルには確かなロジックが存在する。僕の琴線にも触れるということだ。お金に関することだからか、毛嫌いする人もいるが、僕は純粋に鑑賞するに値するものだと思っている。有名なところでは某ハンバーガーチェーン店のビジネスモデルが好きだ。美しさすら感じる。故に、ビジネスを儲けや課題解決だけで語るのはもったいないと思う。

マーケティングの方法としても優秀であろう。本来はビジネスのためのマーケティングではあるが、その逆の使い方もあると思う。つまり、多くの人に伝えるために、ビジネスモデルを構築する。そんな考え方も成立するのかもしれない。

ソーシャルグッドな案件と相性がいいと思う。多くのそれは社会問題となっている課題の解決を目指したものだ。その構図も、すでに『三方良し』になっていることが多い。だが、紐解けばバランスが悪い。マーケットが狭いから『買い手』のメリットがどうしても小さく見えてしまう。『売り手』と『世間』のメリットが大きいから尚更だ。『三方良し』のバランスが悪いということはそういうことである。

やはり、多くの人の課題を解決するビジネスモデルは強い。社会が抱える課題の解決よりも、私の課題を解決してほしいと願う人が多いのであろう。それは悪いことではなく自然なことだ。ソーシャルグッドな課題の解決が難しい本質はそこだと思っている。ならば、社会的な問題を抱えたまま、多くの人が抱える普遍的な悩みや課題を解決するような仕組みを構築することが正解だと思える。

誰かに助けてほしいときこそ、多くの誰かを助けに行く。結果、自身の助けてほしいことが多くの人へ伝わることになり、それが解決の糸口になるだろう。遠回りになるが、それが一番の近道になるような気がした。そこまでを網羅したビジネスモデルは、きっと美しいに違いない。そう思うのである。

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