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タモツの日記
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#127 ただいま北海道

寝て起きたら北海道。とはならず。まだまだ日本海の上。到着は夜のうち。苫小牧には20:30の予定だ。駿河湾を出たのは0時頃だったから、ほぼほぼ1日が乗船時間になる。

計算してみると8年振り。そう、僕は前に北海道で暮らしたことがある。札幌近郊で1年半ほど。そのときは望まない異動で北海道をあとにしたが、今回は転職による移住である。「ただいま北海道」。苫小牧の街明かりを見ながら、僕は心の中でそう呟いていた。

無事に下船。だがもう夜だ。無理はしない。苫小牧に宿をとっておいた。そこでしっかりと眠る。十勝を目指すのはその後だ。

まずは役場へ顔を出す予定。アパートの鍵をもらうためだ。新居は役場の借り上げである。そう、僕は『地域おこし協力隊』に転職した。任務は就農研修を行いつつ、所属する生産組合を盛り上げること。なかなかハードだがなんとかなるだろう。すこし未来の僕がなんとかしてくれると思っている。

新居は街中であった。近くにはスーパーもある。駅だって近い。コンビニ、病院、ホームセンター、一通り揃っている。十勝で一番の都市である帯広までは50kmほど。東京からだと江の島くらいだ。距離はある。だが車で1時間ほど。十勝では"近場"と言えるだろう。特段の不便さはないと思えた。

初日は帯広のホテルに泊まった。荷物が届くのは翌日だからだ。ビジネスホテルだが温泉付き。きもちよかった。おそらく頻繁に通うことになるであろう帯広。いろいろと知りたくなる街である。

新居への荷物の搬入も無事に終わった。久しぶりに料理もできた。新居での一発目の料理は『鍋』と決まっている。おいしかったが十勝色はなかった。スーパーも特段に変わったものは置いてなかったからだ。すこし寂しいがこんなものだろう。

カメラを持って町を巡ってみた。雪解けの景色はあまり美しくない。故にあまり見たことのない景色だった。それでもシャッターは切った。僕のカメラは67中判フィルム機。ファインダーも大きいので眺めているだけでも幸せになれる。微妙な季節だが、それはそれで美しいと思える場面もあった。

そして仕事がはじまった。まずは役場で入隊式。およそ入社式みたいなものだ。オリエンテーションもある。僕はスーツ姿で臨んだ。同期は大勢いる。町議会議員さんの前で自己紹介もおこなった。緊張していたが動揺を隠すことは慣れている。セリフも事前に作って練習も行ってきた。準備は万全である。

入隊式は事務的なやりとりで終わったが、最後の最後で副町長さんが声を掛けてきた。「町の行く末は皆さんの肩に掛かっているので頑張ってくれよ!」。なんだか嬉しかった。そこだけが事務的ではなかった。望むところだ。「わかりました」と、僕は笑顔で答えておいた。

ここまではスケジュール通りだ。準備もしていたおかげでトラブルもなく移住は完了。ただ、これから先は謎が多い。分からないことだらけだ。準備をすることもできない。少々不安だ。それでも頑張ろうと思う。副町長さんも応援してくれている。本当にありがたい言葉だった。

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