- SHIITAKE BLOG -
しいたけ ブログ
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震災回顧録

あの震災から13年が経ちました。 あのとき僕は仙台の中心部で働いていましたが、 今に思えばその2日前の「前震」のおかげで冷静な動きが出来たと思っています。

地鳴りの伴う揺れは危険。あきらかに縦揺れと分かる揺れも危険。 なにより揺れはじめた後に緊急地震速報が届いたときは、大きな揺れの来る前兆と知り得ました。

「前震」のときは皆が一旦仕事を止めて集まったから、あの本震の時も躊躇なく仕事は止めれたのだと思います。 その後も慌てることなく建物の外へ。しっかりと靴も履き替えて。

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食料を求めて訪れた市街地での昼食

けれども、冷静と思っていた行動も、振り返ってみれば単に正常性バイアスが表れていただけかもしれません。

揺れているのでバランスをとるのは難しかったですが、不思議と慌てることなく廊下を走ることもしませんでした。 階段を下りるペースもいつもと同じ。 壁に亀裂が入り、そこから砂煙が噴出していたところもありましたが、どこか他人事のように見ていたと思います。 建物の何処かで水道が破裂したのか、水の吹き出す音が聞こえてましたが、とくに何も感じず。 この焦りや恐怖を感じなかったことが、今になって思えば少し怖いと感じてます。

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ボランティアとして石巻へも

揺れが収まってからは考えさせられる機会が幾分にも増えました。 こんなにも自分で決断しないといけないことがあるのかと。 いつもなら現場に漂う空気感的なものを参考にできますが、それが消えているので正解らしい正解も本当に分からず。

「あたりまえ」とか「ふつう」が通じない状況になると人の個性が強く浮き彫りになって、 僕だけかもしれませんがギスギスした時間も格段に増えたと感じてました。

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2011年の大崎八幡宮の桜

そのような心労的なものも含めても大変でした。 あの震災で「絆」という言葉が再考されましたが、単に皆で頑張った結果の絆ではなくて、 いつもより皆の本心が出てしまう状況下で頑張った結果の絆だから、再考もされたのかもしれません。 トラブルは組織を強くすると言われていますが、本当にそうだと思いました。

ただ、それでも災害はない方がいい。だからこそ、今の不自由ない暮らしの日々にも感謝したい。 そんなことを想う今日この頃です。

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