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しいたけ ブログ
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原木栽培と環境負荷

しいたけの原木栽培に必要な材料は、原木と種菌のみ。 植物である野菜のそれと比べると、とても少ない材料です。 土は要りませんし、肥料も要らず、農薬を使うタイミングもありません。 結果的に自然環境に配慮した栽培方法に見えますが、実際はそのための努力や工夫もなかったりします。

そのため、無農薬なことをお客さんにアピールすることは控え目に。 一応、原木栽培用の農薬のようなものはあるのですが、使うことで発生する利点と手間や経費を鑑みれば、迷うことなく使わない選択をしました。

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力強い榾木を育てれば農薬類は不要

自然環境に配慮した栽培方法を実践する。 それは尊いことだと思います。次世代へと文化を繋ぐのであれば、その環境も変わらずに贈る必要もあると思います。 ただ、自然環境への負荷を全くの無しにすることは難しいです。 いくら栽培方法が環境負荷の少ないものだとしても、それが人の営みの一部である以上、 文化の域で見れば自然環境への影響も必ず発生してしまうから。

重箱の隅をつつくようですが、そこを含めた把握も大切と。 文明が発達した現代なら尚更。仮に石器時代に戻ったとしても、環境負荷は少なからず発生してしまうと思うのです。

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文化や文明と自然環境はトレードオフの関係

自然環境に配慮した栽培方法と、その文化の域で発生する環境負荷。 この矛盾は悩ましいところ。原木栽培を取り入れているだけで解決できる問題ではありません。 そのことには自覚的でいたいです。

大切なことはより良い着地点を模索し続けること。誤解を恐れずに申し上げれば、当農園では環境負荷についての優先度は最前列ではありませんが、 現状、美味しさを追求することで少量生産でも持続可能な様式を身に着ければ、文化の維持と環境配慮を両立させることができ、それが最良と考えています。

でも、もっと良い方法はあるはずです。 その方法に出会うためにも、これからも模索は続けていこうと思います。

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