- SHIITAKE BLOG -
しいたけ ブログ
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十勝へ移住して手に入れたもの

上の写真は、農園の森の中にある『榾場』を写したもの。

撮り溜めた数ある写真の中でも、お気に入りの1枚です。 当時、榾木の年間仕込み数は8,000本。森の中に伏せ込まれた榾木の数は、軽く15,000本超。 この景色を見学に訪れてくれた方も多く、皆さん一同に驚いてくれました。 とはいえ、榾場の景色は全国で見られるもの。 それではどこに驚いたかというと、この景色を一人で作ったところ。 榾木を一本づつひっくり返す『天地返し』作業の話をすると、より一層。けれども、実際は驚かれるほど大変ではありません。 大切なことは急がないこと。そして、今その一瞬で出来ることをする。さすれば自然とこの景色は生まれます。

000町内の牧草地帯

急がずゆっくり淡々と。 これは農作業に関わらず、十勝で暮らしていると、そう思える場面も少なくありません。 生活のための除雪や草刈はもちろんのこと、長い距離の移動もそう。 不便の代償で生まれた勤めも、急がずゆっくり淡々とこなせば、そこには自由に想いふける時間も生まれます。

なにを考えてもいい。過去を振り返ってもいいし、未来を想像してもいい。 苛立っても、猛省しても。問いを立てたり、答えを探してみたりしてもいい。 目に入ってくる景色を、ただただ観察するのもおもしろい。

そんな頭の暇な時間も、外から埋めようと思えば埋められるもの。 隙間時間は有効的に埋めてこそ、効率のよい人生。それこそが現代人の幸せなんだと。 僕は十勝に来る前まで、そう思っていました。けれども、そんな時間も無理に埋めるのではなく、暇を暇のまま過ごすのも良いものと。 今はそう思えるようになりました。

000オダッシュ山と臥牛山

十勝で暮らしていると、頭が暇になる時間は多いです。 そこでも急がずゆっくり淡々と、想いや考えが溢れてくるのを待ってみる。 どんなに小さなことでもいい。無理に深堀する必要もありません。 ただただ、感じてみる。思ってみる。考えてみる。そんな時間の使い方も小さな幸せ。 十勝で暮らすことで得られた幸せのひとつ。これからも、そんな小さな幸せを大切にしていきたいです。

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