サホロ椎茸

北海道の新得町で原木から椎茸を作っています

サホロ椎茸の特色

サホロ椎茸

『寒さで効率の良い生産が出来ないのであれば、いっそうのこと手間暇をかけて美味しい原木椎茸を作ろう』

木槌を使って「椎茸菌」を打ちこむ作業も今は昔。 サホロ椎茸の生産現場でも、今ではそれが主流です。 思えば、原木椎茸の栽培風景も、ここ数十年で変わりました。 ただ、本州、四国、九州はもちろんのこと、道内の他の原木椎茸産地と比べれば、サホロ椎茸のそれは昔の姿を留めている部分も多いです。

道内における原木椎茸の産地は、道央や道南など、比較的温暖な地に集まっています。 気温は高く、雪も少ない。 そんな環境は食物の栽培に適していますが、それは原木椎茸にも当てはまること。 通常の野菜とは栽培方法が大きく異なる原木椎茸ですが、その部分は共通しています。

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以前は、原木に「椎茸菌」を打ち込んでから、実際に椎茸を収穫するまでに2年半の時間が必要でした。 それが今では1年もかからず収穫を迎えることが出来ます。 そのためには、寒い時期から「植菌」をはじめる必要があり、暖房の効いたビニールハウス内で行われることが多いのですが、 その後の原木の管理も、ビニールハウス内で行われることが多いようです。

本来は、4月から10月くらいまでの春と夏の気温を使って「椎茸菌」を育てるのですが、 ビニールハウスを使うことによって人工的な高温を確保し、長い育成期間を稼ぎます。 そうすることによって1年未満での収穫を可能とするわけです。 全ては技術革新の恩恵なのですが、それでも「気温は高く、雪も少ない」という環境が今でも重要であることは変わりません。

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原木椎茸の産地が集まる道南や道央地方に比べると、十勝は寒いです。 雪の量も多いです。 山間部に近い新得町では尚更。 そのためサホロ椎茸では、植菌から一年以内に収穫される椎茸はありません。 環境をコントロールできる大規模な生産施設があれば可能なのかもしれませんが、残念ながらサホロ椎茸にはありません。

ですので、今でも昔ながらの方法で椎茸を作っています。 それは気候による「諦め」もあるのですが、それ以上に、昔ながらの方法で育てた椎茸の方が美味しいから、という理由もあります。

生産効率を求めた結果、植菌から1年未満での収穫も可能となった原木椎茸。 その代償に『味の劣化』も少なからず存在すると言われています。 『寒さで効率の良い生産が出来ないのであれば、いっそうのこと手間暇をかけて美味しい原木椎茸を作ろう』。 それがサホロ椎茸の理念です。

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また、椎茸は和食文化を支える食材のひとつ。それは「菌床椎茸」にも言えることなのですが、 「後世に伝えたい和食の姿」を考えたとき、そこでは昔ながらの方法で作られる「原木椎茸」を想像してしまいます。 そう考えれば、より自然に近い方法で作られている「原木椎茸」を、サホロ椎茸でつくる「原木椎茸」を、 後世に伝えていくことには大きな意味があると考えています。

そして、機械化の進んだ林業は、たしかに効率がよく、安全で重労働から解放された部分も少なくありません。 ただ、あまりにも機械化されたため、重機のオペレーター的な職業になりつつもあるそうです。 加えて、山を丸裸にしてしまうような「全伐」といった刈り方もあるので、 今の林業には若い人が憧れる「森を守る」といったイメージが少なく、それが次世代の担い手不足の原因にもなっているそうです。

そこへいくと、「原木椎茸」のための伐採は、樹皮を傷つけない丁寧なもので、間伐のことも多いです。それはきっと「森を守る」というイメージに合ったもの。 将来的には、これを本職とする林業も活性化することも願っています。

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「原木椎茸」は美味しく、安全で、そして食べることで「森の循環」に協力できる、そんな食材です。 「サホロ椎茸」は、森の原木を有効に使い、手間暇をかけ、トップクラスの「菌床椎茸」にも負けない「原木椎茸」の生産を目指します。

その工程に化学薬品を使う余地はなく、自然栽培に近い品質を保ち、安全と安心を提供したいと考えています。 また、「原木椎茸」を食べることで多くの人が「森の循環」に参加できると思うので、末永く、次世代に繋げられる生産者で在りたいとも考えています。

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