- SHIITAKE BLOG -
しいたけ ブログ
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最も美しくない季節

春分の日が過ぎました。春のお彼岸も真っただ中。「暑さ寒さも~」と言われますが、ほんとにその通りで、 ハウス内の気温も日中は暑すぎるほどまで上がるようになりました。

けれども、外の残雪はまだまだ深く。榾場を長靴で歩いてみようと思えば、膝上まで埋まるほど。 溶けきるにはもう一段階の暖かさが必要みたいです。

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雪解け途中の農道

日本は四季の豊かな国と言われていますが、それを強く意識する季節は、今のような冬と春の境目な時期かもしれません。 新緑の夏や紅葉の秋も捨てがたいですが、冬から春への移行はその変化を感じる分だけ強く感じます。 「三寒四温」という言葉を必ず意識してしまうのもこの季節。 雪深い冬よりも、花咲く春よりも、季節が移り変わるこの時期に、年で一番の四季を感じてしまうというわけです。

ただ、景色はあまりよろしくなく。観光客が減るのもこの時期なのかと。 心惹かれる十勝の広大な風景はいつもと変わらずそこにあるのですが、正直、雪解け途中の大地はすこしみすぼらしく感じてしまいます。

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雪解け途中の牧草地

『とにかく遊ぶ』。そう決めていたので、この町を撮り尽くすことを目標にしていた十勝に移り住んでの1年目。 カメラはPENTAX67Ⅱ。フィルムは中判ブローニー。リバーサルとモノクロの比率は8:2くらい。 おそらく忙しくなり、フィルムで撮る余裕はなくなると見込んでの目標。 1枚のクオリティは低くなってしまうから、あまり褒められたものではないと分かりつつも。

今に思えば儀式的な撮影だったと思います。実のところ2年くらいは続いてました。でもそのおかげで今の写真に辿りつけたのは事実。 手前味噌にはなりますが、良い目標で良い経歴になったと思ってます。

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雪解け途中の林道

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地吹雪で霞む道路

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雪解け途中のサイロ跡

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雪解け途中の小川

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雪解け途中の牧草地

そんな写真群の中には、もちろん雪解け季節の写真も含まれています。 あまり美しくないなと思いつつも、その撮影の背景を鑑みれば、ふしぎと良くも見えてくるもので。 写真ってのは難しいなと。

そんなことを思う今日この頃です。

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