前職でも、単純な反復作業を任されることは多かったです。
そんな仕事を素早く消化するコツは、あまり集中し過ぎないこと。 やはり長時間の作業では心も疲れてしまうので、集中力に頼ることはできません。 それよりも積み重ねた経験を信じて、体が覚えていることを淡々と出していく。 そのとき頭は目の前の作業からすこし離れて、例えばその日の晩ごはんの献立を考えてるくらいが調度いい。 さすれば自然とミス無く手早く仕事は片付くもの。
そんな仕事の進め方をしていたので、割と単純な反復作業は好きでした。
逆に、何かを考えるときは単純作業をしている方が良かったりもします。 これも前職での話なのですが、難題を任されたときはいつだって自ら単純な反復作業へと。 会議室ではなくトイレや散歩中に良い案が浮かぶ話はよく聞きますが、僕の場合は単純な反復作業中に良い解決策が浮かぶことも多かったです。
それは就農してからも。 決断を迫られるときや問題が起きたときもそう。 次の一手が欲しいときも単純な反復作業は頼りになる味方です。 農家の仕事にはそうした作業が多いので無くて困ることも無いのですが、僕との相性的には料理も中々のもの。
他のことを考えながらごはんを作ると頭の中の整理がとてもよく進みます。 頭の中の余計な場所に、料理に関する考え事を詰め込んでいく感覚。 あまり褒められた作り方ではないと思うのですが、何かを考えたいときは料理をしながらなことも多いです。
その日もすこし考え事がありました。どうしたもんかなと。 すこし難題だったので、複数の料理を詰め込んでみました。 焼豚の仕込みをしつつ、丸パンを焼いて、その日の夜のメインはクリームシチュー。 キッチンの香りはすごいことになってしまいました。
クリームシチューの具は次の通り。 鶏モモ肉、じゃがいも、にんじん、たまねぎ。そして椎茸。 牛乳で沸騰しないように煮込んでいきます。
余談になりますが、当農園の椎茸は時期にもよりますが時間が経っても腐らずに乾いていくことも多いです。 乾き過ぎると食すには適さないのですが、少々の乾きなら問題なく使用できます。
クリームシチューに使うデシャメルソースはバターと小麦粉、牛乳で作りました。
クリームシチューは椎茸の旨味を味わえる一品となりました。 味付けは塩のみ。焼いた丸パンと共に頂きました。おいしかったです。
焼豚は次の日に頂きました。 こちらも美味しかったです。
メニュー的にお腹まわりが心配になりましたが、とても楽しい料理となりました。 考え事にも目途が立ち、次の日からは通常運行。新たな仕事も増えましたが、それも嬉しいこと。 そんなことを思えたのも料理のおかげ。あまり上手くはなく失敗することも多いですが、料理が好きでよかったです。 毎日淡々と行っているごはん作りですが、その恩恵は思っている以上に多いかもしれません。
そんなことを思う今日この頃です。