『どのようにして椎茸の写真を撮ってるのですか?』
この質問も、以前にお客さんから頂いたものです。僕の写真を見て、このような質問を投げ掛けてくれることは嬉しいのですが、その答えは至って普通。カメラを向けて、シャッターを押す。それでも上記の質問が生まれるということは、すこし違った写真に見えたのかもしれません。
その理由を考えてみると、稀なレンズを使っていることも、すくなからず関係あるのではないでしょうか。今回は、そんな僕の使っているレンズについて、すこし書いてみようと思います。
『smc PENTAX67 75mm F2.8AL』
カメラレンズの名前は、アルファベットと数字の羅列で分かりづらいもの。ただ、その意味を紐解けば、名前だけである程度の性能を知ることができます。レンズ名の中にある「PENTAX67」の文字列は、そのカメラと接続できるレンズという意味。そんなPENTAX67は、中判フィルムを使用するカメラです。
僕のメイン機でもある最終モデルの「PENTAX 67Ⅱ」は、1998年の11月に発売されました。このレンズも、2001年の11月に発売されています。つまり20年以上も前のレンズ。それを専用のアダプターを介して、SONYのα7Ⅱの本体に接続して撮っています。
このレンズは中判67サイズ用に作られたため、α7Ⅱを含む「フルサイズ機」と呼ばれるデジタルカメラでは、レンズの見ている景色の1/4しか記録されません。そのため、本来は人の視野角と似た写真を撮ることができたのですが、フルサイズ機では、きれいに映る中心部のズームされた写真を撮ることができます。
また、背景をぼかしても解像感がシャープなことも特徴のひとつ。それらの要因が、僕の撮る椎茸写真を作っているのだと思います。
カメラの設定は、概ねレンズの絞りは開放、出来るだけ低感度、被写体に寄せて撮ることが多いいです。でも、これはα7Ⅱへ接続しているときに限ったこと。元々、PENTAX67Ⅱに接続して撮るときは絞りF8.0が常でした。
そもそも、α7Ⅱにsmc PENTAX67 75mm F2.8ALを接続して使い出したのは、ここ数年のこと。それ以前はGR2というカメラで椎茸を撮っていました。つまり、最近はα7Ⅱ+smc PENTAX67 75mm F2.8ALという構成で椎茸を撮ってはいるものの、それが最善とは思っていません。きっと、より良く撮れるカメラ構成や撮り方は他にもあるはずです。
そう思いながら今日も撮り続けているのですが、そのような姿勢も、僕の撮る椎茸写真には必要なのかも知れません。